京都・西陣の織屋が解説!名古屋帯とは?

 

帯の種類のひとつである名古屋帯。

名古屋帯はフォーマルな場面でよく使われる袋帯とは対照的にカジュアルシーンにおすすめの帯です。

また、名古屋帯と一言にいっても、仕立て方の種類が多数あったりとなにかとわかりにくことも多い帯でもあります。

そこで今回は、袋帯と比較しながら名古屋帯について解説していきます。

 

名古屋帯とは?

名古屋帯「四弁花円文」(絽地)

 

名古屋帯とは、袋帯の二重太鼓を簡略化し、お太鼓が一重になるように短くしたもの。

袋帯は背中にくるお太鼓部分が二重になる二重太鼓、名古屋帯は一重になる一重太鼓と覚えておきましょう。

長さの短い名古屋帯は袋帯よりも簡単に結ぶことができるので、お着物初心者の方にもおすすめです。

この名古屋帯の発祥については諸説あるようですが、一般的によく聞かれるのは大正時代に現在の名古屋女子大学を設立した越原春子さんが考案した、という説のようです。

名古屋で生まれた帯なので名古屋帯と呼ばれているんですね。

 

そんな名古屋帯は素材や色柄などによってカジュアルにだけではなく、セミフォーマルにもお使いいただけます。

また、お葬式の場面では不幸が重ならないようにという意味を込めて一重太鼓の名古屋帯を締めるのが一般的です。

 

八寸名古屋帯・九寸名古屋帯の違いって?

名古屋帯は「八寸名古屋帯」と「九寸名古屋帯」の2種類があるのことをご存じですか?

この2つの種類の違いは名前の通り、寸法です。

八寸名古屋の織り上がり幅は約八寸(約31cm)、九寸名古屋の織り上がり幅は約九寸(約34cm)。

 

 

仕立て上がりの幅はどちらも同じで、八寸名古屋は帯芯を入れず、織り上がり幅のままかがって仕立てます。

一方、九寸名古屋は帯芯を入れて両端を五分(ごぶ)(約2cm)折り込んで約八寸(約31cm)幅に仕立てます。

(芯の有無は素材やお好みによって変わることもあります。)

このように、仕立て前や仕立て後の状態をよく見るとその違いが見えてきますよ!

呉服屋さんなどで帯を見る際の参考にしてみてくださいね。

 

 

※ 帯の仕立て幅については八寸~八寸二分(約30cm~31cm)が一般的です。

※ ここでの帯の寸法は全て鯨尺を使用しています。

 

名古屋帯の仕立て方

名古屋帯は前無地部分を折り返し、両端を縫い合せて仕立てます。

前無地は太鼓の裏側までの寸法です。

仕立て方によっては腹の部分に別生地を使用し、裏地を縫い付けます。

名古屋帯の仕立て方は主に3種類。

ここではその仕立て方について解説していきます。

お好みに合った仕立て方を見つけてくださいね。

 

◆ 名古屋仕立て

手先からお腹部分をすべて半分に折ったもの。名古屋帯の一般的な仕立て方です。

手先や前幅が固定されるので形がくずれず締めやすいので初心者の方にもおすすめです。

しかし一度仕立てると前幅を変えることが出来ないので、その都度前幅を調整したい方には不向き。

前幅にこだわりのある方や長身の方などは初めから前幅の寸法を指定してお仕立てすることをおすすめします。

 

◆ 松葉仕立て

手先分だけを1尺(約38cm)ほどを半分に折り仕立てたもの。(寸法は仕立て屋さんによって変わることもあります。)

残りは開いたままの状態なので、名古屋仕立てとは違い前幅をお好きな寸法で締めることが出来ます。

手先はお太鼓から覗く部分。手先が最初から半分に折られているので、着崩れしにくく美しい状態をキープ出来ます。

また、開いたままの腹の部分には別生地を使用し、裏地を縫い付けます。

 

◆ 開き仕立て

どの部分も折らずに別生地の裏地を付けて平らなまま仕立てたもの。

また、このとき裏地を付けないで仕立てたものは「東京仕立て」といいます。

どの部分も折られていないので、袋帯のようにご自身で手先を折ってから着付けをしなければいけません。

帯結びに慣れている方はこちらのお仕立て方を選ばれることも。(実際に何人もいらっしゃいました。)

高価な帯の場合など、手先やお腹部分を折ったままにしたくない方にもおすすめです。

「名古屋仕立て」・「松葉仕立て」に比べてお手軽感はなくなりますが、収納の際は畳みやすく不要なシワが付きにくいのがメリットといえます。

 

京都・西陣 桝屋髙尾 おすすめ名古屋帯

桝屋髙尾では袋帯だけではなく八寸名古屋帯・九寸名古屋帯も制作しています。

ここでは弊社がおすすめしたい名古屋帯をいくつかご紹介します!

◆ 八寸名古屋帯

〇 よろけ格子

熟練の職人が手織りにて丁寧に製織。

こちらは縞経を採用し、緯糸を変えることで格子模様に仕上げました。

手織りの良さを生かし、1本1本違った配色で織ることが多い帯です。

ぜひお気に入りの配色を見つけてくださいね。

 

◆ 九寸名古屋帯

〇 針ねん金 葡萄華文

桝屋髙尾の当主である朱子も愛用中の帯の色違い。

ねん金糸を使用していますがマットな質感なのでぜひ織のお着物にも合わせていただきたい1本。

朱子的テッパンコーディネートは大島紬との組み合わせです!

 

〇 北野錦 インドサリー人物文

桝屋高尾の九寸名古屋帯のシリーズ「北野錦」。

表情豊かな帯地を目指し、あえて節感のある糸を使用しています。

こちらは桝屋髙尾らしいオリエントな柄がポイントです。

 

帯についてのお問合せはこちら!

 

レンタルでお試し!「RENTOBI」の名古屋帯

桝屋髙尾の帯の締め心地を体験していただける帯のレンタルサービス「RENTOBI」。

その中からおすすめの名古屋帯をご紹介します。

「桝屋髙尾」って?「ねん金」って?とう方はまずはレンタルにて締め心地をご体験ください!

 

〇 針ねん金 松笠並び文

【種類】九寸名古屋帯

【仕立て方】未仕立て(ご相談下さい!)

長年、お客様からの人気が高いお柄の名古屋帯。

地には西陣の伝統技法である絣を採用しています。

セミフォーマルな着こなしに。

 

〇 しじら織り 東欧繍文

【種類】九寸名古屋帯

【仕立て方】名古屋仕立て

強撚糸であるお召しヌキを使用したシボ感のある帯地が特徴的。

現在では制作していない貴重なシリーズの帯です。

こちらはカジュアルな装いに。

名古屋仕立てですので、締めやすくお着物初心者の方にもおすすめです。

 

※ ページ下部のお問合せフォームをご利用ください。

 

知って・着て!楽しむ名古屋帯!

今回は名古屋帯についてご紹介しました。

お着物や帯は種類が複雑だったり、曖昧なルールが多く、戸惑うこともあるかもしれません。

あまり気負うことなくご自身のペースで知識を身に着け、もっともっとお着物や帯を楽しんでいただけたらと思います!

 

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