京都・西陣織 桝屋髙尾の帯紹介【ねん金】

 

弊社の大きな特徴は「糸からのものづくり」。
その始まりは前会長・髙尾弘が尾張徳川家に受け継がれてきた宝物を所蔵している徳川美術館より美しく輝く黄金の「ねん金袱紗」の復元の依頼を受けたことに由来します。

「ねん金」とは徳川家康の形見として尾張徳川家に伝来した裂で、その一部を切り取って十二代藩主の斉荘(なりたか)が出し袱紗に仕立てたとされています。
その裂地は輝きがありながらも太さにばらつきのあるざんぐりとした質感の金糸で織られており、今まで見たことがない大変珍しい織物でした。

 


この「ねん金」の復元の為に研究の末一から制作した糸が「ねん金糸」です。
こうして依頼を受けた「ねん金袱紗」の復元を糸づくりから行い成功させた後、「ねん金糸」を使用した帯地づくりへと発展させます。
この帯を「ねん金綴錦」と命名し、以後弊社の代表作となりました。
「ねん金糸」は太さが一定ではない手紬真綿に箔を巻きつけた糸で、箔が輝く部分と箔の隙間から真綿の色彩が覗く部分を併せ持った材料です。

 


また、芯糸である真綿を様々な色に染めることで色表現の幅を拡大。
箔の種類も従来の金色や銀色のものの他に黒の漆箔などを用いて様々なシーンに対応できるような材料づくり・帯づくりを行っています。

今回はこの「ねん金糸」を使用した帯4種類をご紹介します。

(※ 「ねん金」の「ねん」の正しい漢字表記は糸へんに念)

 

帯紹介① <ねん金綴錦>

「ねん金糸」を織り入れた弊社の代表作。
手織り・機械織り両方で製織しています。
金糸でありながあらその隙間から覗く真綿に素朴さも感じられる「ねん金糸」は格がありがながらも威張り過ぎない上品な表情を見せてくれます。
実用面では軽くシワになりにくいといった特徴も。

 

特にこちらのお柄『段霞文』は訪問着や色無地など幅広いシーンのお着物に合わせていただきやすく、1本持っていると重宝する帯とご好評を頂いております。
無地でありながら太細のある糸の特徴のおかげで間延びせず立体感のある帯地に仕上がりました。
また、皇族方をはじめ様々なジャンルの著名人にお使い頂いているお品です。

 

近年では、部分的に紗の組織を取り入れたオールシーズン対応帯を発表。
現代の気候を考慮し、より快適に楽しくお着物を着て頂けるよう常に感覚をアップデートしながら帯づくりに取り組んでいます。

 

帯紹介② <針ねん金>

主に経糸の浮き沈みによって柄を表現。
柄によっては緯糸での文様表現も加え<ねん金綴錦>とは違った織表現を試みています。
正倉院所蔵の織物の中でも経糸の浮き沈みにより文様表現された織物「経錦」が多く見られるように、織物の歴史の上ではこのような方法が早くから行われていました。
その後、緯糸を使った文様表現技法「緯錦」が織られるようになり今日に至るまで主流を占めています。
このような伝統的な技法を踏襲しながらも、桝屋髙尾らしい表現を探求しているシリーズです。

 

糸使いとしては、経糸に従来の<ねん金綴錦>よりも多く「ねん金糸」を使用することにより、経糸での文様表現が豊かになるように工夫しています。
経糸の浮きによってチラチラと覗く「ねん金糸」の表情をお楽しみ下さい。

 

帯紹介③ <金唐ねん金>

「金唐ねん金」の「金唐」という言葉は日本の伝統工芸品のひとつ「金唐革紙」に由来します。
「金唐革紙」とは和紙に金属箔をはり、手作業にてその和紙を版木に当てながら凹凸文様を打ち出し、彩色して仕上げる高級壁紙です。

江戸時代に室内を飾る高級壁紙として人気があった西洋の皮革工芸品である「金唐革」。
しかしの
当時鎖国していた日本では入手が困難ということから皮ではなく和紙にて「金唐革」を再現したのが「金唐革紙」です。
「金唐革紙」も各国の博覧会に出品された他、バッキンガム宮殿にも使用されるほどの人気でした。
その後やがて衰退し、昭和中期以降その技術は完全に途絶えてしまいます。
復元制作なども行われてきましたが、現在では当時の技術に匹敵する作品を作ることは難しくなってしまっているそうです。

当主である朱子がそんな「金唐革紙」の存在を知ったのは紙の博物館を訪れたときのこと。
なんとかこれを織物に表せないか?と試行錯誤の上誕生したのが「金唐ねん金」です。

 


「ねん金糸」を織り込んだ表情豊かな地風に「金唐革紙」の特徴である凹凸文様を表現するためにふくれ織りの組織を採用しました。
堅すぎない柄ゆきが多いこちらのシリーズはパーティーなどのセミフォーマルなシーンにはもちろん、カジュアルに楽しくコーディネートに取り入れていただくのもおすすです。

 

帯紹介④ <黄純>

黄純(オウドン)は徳川美術館蔵の名物裂のひとつです。
寛政3年(1791)に出版された「古今名物裂聚」の中に黄純の名称が見られます。
その黄純を前会長である髙尾弘が再現の成功を収め、さらに帯として発展させました。

黄純とは経糸と緯糸の交錯点を一定の間隔に配置した経糸の浮きが多い組織である朱子織(しゅすおり)を用いた織物で、徳川美術館の元副館長 大河内定夫氏は黄純について「密度が高くて細い経糸と太い緯糸とのアンバランスな味わいとを併せ持った格調高い優美な織物である」とコメントしています。

 

緯糸に「ねん金糸」を使用しており、経糸の浮きも相まって繊細ながらもざんぐりとしたまさにアンバランスな味わいも持った帯地となっております。
長年織っていませんでしたが、社長の名前である朱子(しゅうこ)にちなみ朱子織(しゅすおり)の織物を復活させました。
リバイバル後は手織りにて製織。
経糸には浮いた様子が美しく見えるよう細く繊細な絹糸を使用しています。
また、箔については本金・プラチナ・漆のいずれかを使用しており、弊社の中でも特に格調高い帯としてご提案しております。

 

「ねん金糸」に触れる ~桝屋髙尾の工場見学&織体験~

桝屋髙尾の工場見学&織体験では、「ねん金糸」を使用した帯を織る様子を見ることが出来たり、実際に自分で「ねん金糸」に触れながら織体験をしていただけます。
織り上げたパーツはスマホポーチの一部にお仕立てして後日お届け。
ご参加いただいた皆様からご好評いただいているプランです。

 

見学では西陣織と桝屋髙尾についてご説明させていただいた後、実際に稼働している工場の見学へ。
太さにばらつきのある「ねん金糸」は織るのに少しコツがいります。
ぜひどのように桝屋髙尾の帯が作られているのかご覧になってみてください。

織り体験ではプロ仕様の機を使用。
職人が丁寧に指導いたしますので、織物経験のない方でも安心してご参加ください!

 

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