- 桝屋髙尾について -

徳川家伝来「ねん金裂」の再現

弊社の大きな特徴は「糸からのものづくり」。

その始まりは1978年、先代・髙尾弘が名古屋にある尾張徳川家に受け継がれてきた宝物を所蔵している徳川美術館より美しく輝く黄金の「ねん金袱紗」の再現依頼を受けたことに由来します。

「ねん金」とは名物裂のひとつで、徳川家康から尾張徳川家に引き継がれた由緒深い品であるとされています。
その裂地は輝きがありながらも太さにばらつきのあるざんぐりとした質感の金糸で織られており、今まで見たことがない大変珍しい織物でした。
先代・高尾弘はこの織物の再現を糸づくりから行い、成功させます。
この時、研究の末一から制作した糸を「ねん金糸」と命名。
完成した袱紗は徳川美術館で行われる葵茶会にも用いられました。

光によって輝きや色を変える糸

「ねん金糸」は太さにばらつきのある手紬真綿に箔を巻きつけた糸で、箔の輝く煌めきと箔の隙間から覗く真綿の素朴さ両方を併せ持った材料です。

さらに真綿を様々な色に染め、色彩表現の幅を拡大。

こうして依頼を受けた「ねん金袱紗」の再現を糸づくりから行い成功させた後、「ねん金糸」を使用した帯地づくりへと発展させます。

この帯を「ねん金綴錦」と命名し、以後弊社の代表作となりました。

「ねん金綴錦」は眺める角度や光の当たり方によって鮮やかに色が浮き上がったり、帯地に溶け込んで見えたりと独特な色彩表現が特徴のひとつ。

先代・髙尾弘はこの特徴を「動く色」と表現しています。

「SDGs」を意識したものづくり

「SDGs」とは、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」で、持続可能な世界を実現するための17の目標・169のターゲットから構成された地球の「誰一人として取り残さない」ことを誓った国際目標です。

桝屋髙尾では特にその中の目標12「つくる責任つかう責任」に着目し、再生可能な資源について考え素材を大切にする取り組みを行っています。

弊社の大きな特徴であるオリジナルの金糸「ねん金糸」は太さにばらつきのある糸です。

その性質上どうしても太すぎたり細すぎたりする部分が出てしまう為、必要に応じて取り除きながら使用していました。

その今まで捨ててしまっていた糸たちを拾い上げ、部分的にアクセントとして織り入れることで商品として成立させ「SDGs」の心と桝屋髙尾らしい個性を持ち合わせた帯や小物を制作しています。

「捨てるなんてもう古い」

この言葉を元に、私たちの作ったモノが新しいコトの循環の一助となり、モノの命が大切にされ続けていく会社を目指しています。

また、オール京都で「SDGs」を強力に推進するための新たなネットワーク「きょうとSDGsネットワーク」に参加しています。

伝統産業を継承する高度な技術と感性

「時に耐える美しさ」を持つ織物を生み出すという理念と創業の原点としています。
そのために手織だけでなく機械織においても職人は1人で1台の機を担当し、つきっきりで仕上げています。それが当社のこだわりでもあり、より良いものづくりに繋がるプロセスだと考えております。

また、幅が1.5mの織物ができる手機をつくり、従来にない織物が織れるようになったことから、新たな商品の制作にも挑んでおります。
西陣の伝統を継承し、美しい色・美しい織により、人の心に潤をお届けするブランドであるよう尽くして参ります。

帯のご紹介

工場見学

美しい手仕事
- 京都 西陣を知る -

❶ 織体験コース

所要時間:約1時間半~2時間

工場の見学と織体験が出来るコースです。熟練の職人の指導のもと、現役の機で体験して頂きます。

※本社とは場所が異なりますのでご注意ください

❷ 金閣寺サロン・織体験コース

所要時間:2時間〜

1日1組、2名様までの機織体験では、金閣寺サロンを貸し切り、桝屋高尾のプロ仕様の機を使い、職人と相談しながらご自身の帯を織り上げるという、極上の体験企画です。

※本社とは場所が異なりますのでご注意ください

工房体験ツアー

実際の工房で体験しよう

京都西陣の老舗織元工房「桝屋髙尾」の手織りと機械織の工場を見学し、
独自で開発・製造する「ねん金糸」を用いた製織やタッセル作り体験ができます。
数ある西陣の織元の中でも実働している現場を公開しているところは非常に珍しいです。